複業のすゝめ その意義

一寸先は闇

今、あなたが勤めている会社、あるいは携わっている仕事は、10年後も今と変わらず存在しているでしょうか?

「はい、大丈夫です」と胸を張って言える人は、よほど優秀な人かおめでたい人かのどちらかでしょう。

何しろ、天下のトヨタ自動車でさえ「終身雇用はもう難しい」と、社長自らが吐露する時代です。

 

その背景には、AIとロボットテクノロジーの革命的な進化があります。

進化したAIと低コストで優れた機械が普及することによって、そう遠くない将来に大量の人間が雇用市場から排除される可能性があると言われています。

 

かつて人間の仕事が機械に取って代わられたときには、人間は新たな仕事を生み出し、機械と共存しながら繁栄してきました。

肉体労働から知的労働へのシフトです。

 

今私たちが直面している新たな危機を過去と同様に乗り越えられるか否かは、現時点ではまだ分かりません。

乗り越えられるという楽観論と「無用者階級」という大量の失業者を生み出すという悲観論の真っ二つです。

 

ただ、どちらに転んでも、今の仕事を今と同じ形で続けられる人はほとんどいない、ということは間違いなさそうです。

であれば、漫然と毎日の仕事に取り組んでいるのは、座して死を待つのと同じということになります。

 

厄介なのは、多数派同調バイアスです。

集団の中にいると人間は周囲と同調した行動をとる、という人間心理のことです。

 

今、私がここに書いているような未来を見据えて、何らかの行動を起こしている人があなたの周囲にいるでしょうか?

・自分の仕事はまだ大丈夫
・みんながそうしているんだから大丈夫だろう

こんな意識で昨日と同じ毎日を送っている人ばかりなはずです。

こういう人たちと同調していれば、束の間の安心感は得られるかもしれません。

しかし、変化の波に襲われたら全員がひとたまりもなく仕事を失います。

 

図らずも2020年は、このような意識が危険だということがコロナ禍で明白になりました。

・世間一般の常識や行動が短期間で激変する
・突然売り上げがゼロになる
・突然仕事がなくなる

こんな信じられないことが実際に起きてしまいました。

 

自然災害だけとっても、日本は南海トラフ巨大地震や首都直下地震、富士山の噴火など、近い将来に発生が危惧されているものは少なくありません。

誇張ではなく、本当に一寸先は闇なのです。

 

そんなときに、今の仕事・1つの収入源に頼りきっていることがいかにハイリスクなことか。

昨今の副業解禁の動きは、先の見通せない不安定な時代に「もう国や会社に依存しないでくれ」というメッセージでもあります。

そしてこれは誰にでも当てはまります。

 

そこで私たちは、できるだけ多くの収入源を自力で確保し、リスクを分散していかなければなりません。

のみならず、変化に柔軟に対応できる思考と能力を身に着けなければなりません。

 

起業のハードル

とはいえ、起業となるとハードルが高く感じられる、という方も多いと思います。

このハードルの正体は何でしょうか?

おそらく「お金」と「スキル」ではないでしょうか。

 

たとえばラーメン屋を開業するなら、数百万円の開業資金と美味しいスープを作るスキル、集客のスキルなどが必要になります。

加えて、黒字化するまでの間は毎月かかる固定費を自腹で負担し続けなければなりません。

しかも、黒字化するという保証はどこにもありません。

なるほど、たしかに高いハードルです。

 

しかし、これは昭和や平成前半の起業の仕方です。

平成後半から令和の時代は、インターネットを使った起業が主流となり、まとまった開業資金や固定費は必要なくなりました。

スキルに関しては、実践する過程で磨くことは必須になりますが、今あなた自身が持っているスキルを活かすことができます。

しかも、今の仕事を続けながらできるので、リスクがほとんどありません。

 

そんなうまい話があるわけない、と思われる方もいるでしょう。

私も最初はそう思いました。

でも、実際にそうやっている人はたくさんいて、会社の仕事と両立しながら複数の収入源をガッツリと確保しています。

 

後で触れますが、YouTuberというのはそんな起業の仕方の1つです。

YouTubeにはゲーム実況という人気カテゴリがありますが、ゲームが得意なら小学生でも始められますよね?

見ているだけで終わるのか、自分も発信する側に回るのか、つまりやるかやらないか、それだけの違いです。

 

特に昭和生まれは、起業に関して先入観を持っている人が多い傾向にあります。

令和の今、起業のハードルは驚くほど低いという事実を知ってください。

 

インターネット起業のメリット

インターネット起業のメリットは多岐に及びます。

・小資本で始められる
・時間・場所的な制約がない
・商圏という概念がない
・無限在庫
・今持っている知識やスキルをそのまま活用できる
・人を雇う必要がない
・外注化が容易
・固定費がほとんどかからない
・集客からセールスまで自動化が可能
・ほぼノーリスク

など。

 

この点については別に詳しく解説した記事があるので、そちらをご参照ください。

 

労働型ではなく資産積み上げ型

代表的なインターネットビジネスとして、現在は

・ブログ
・YouTube
・スキルシェアリングサービス
・メルマガ
・kindle本出版
・コンテンツ販売
・コミュニティ運営

などがあります。

 

これらの中から発信する内容・あなた自身と相性の良い媒体を選んで実践していくことになります。

そして、将来的には1つではなく複数を組み合わせて相乗効果とリスクの分散を図り、収入の基盤をより強固なものにしていきましょう。

 

なお、インターネットを使った仕事の中には、レビューを書く、アンケートに答えるといったような、仕事内容と成果が決められたアルバイトのようなものもあります。

しかし、こういった誰でもできる単純労働では、

・できるだけ多くの収入源を自力で確保しリスクを分散する
・変化に柔軟に対応できる思考と能力を身に着ける

という目的が達成できません。

 

知識やスキルが身に付かない、労働の成果が資産化しない仕事はすべてスルーしましょう。

 

副業は失敗する

今後、副業解禁の流れが加速すると思われますが、それに乗せられた大多数の人は失敗します。

副業という概念は、文字通り本業がメインで副業はサブ。

本業の片手間で取り組むという姿勢・マインドです。

 

飛び抜けて優秀な人は別として、私を含めた凡人がこのような態度でビジネスに取り組んで結果が出るはずがありません。

ネット上では「インターネットビジネスは簡単に稼げる」という謳い文句をあちこちで見ますが、すべて情報商材や高額塾を買わせるための誇大広告です。

 

起業のハードルが低いこととビジネスで成功するかどうかは、まったく別の話です。

ここを多くの人が勘違いしています。

やるからには本業と同じかそれ以上の熱量をもって取り組まないと結果は出ません。

だからこそ、私は副業ではなく「複業」という態度でビジネスに取り組むべきだと提唱しているのです。

 

本業・副業が本業>副業という関係なのに対し、複業は会社=インターネットビジネスという関係で、どちらも本業という位置づけになります。

本業が複数あるから「複業」というわけです。

ちなみに「兼業」という概念もありますが、この場合は本業≧兼業という関係になります。

 

投資は余裕資金ができてから

ついでに触れておくと、FXや株式投資などの投資系は最初に取り組むべきではありません。

そもそも投資は元手となる余裕資金が少ないと、物理的にも精神的にもメリットよりデメリットの方が上回るという性質があります。

 

投資はビジネスが軌道に乗って、余裕資金が数百万円たまった時点で始めましょう。

物事には順番があるということです。

 

複業のすゝめ

複業という概念は理解していただけたかと思います。

ただ、会社での勤務を続けながら限られた時間の中で本当に結果を出すことができるのか、と思う方もいるでしょう。

起業するからには、脇目もふらずにその事業に全精力を注がなければ、成功はおぼつかないのではないか?と。

 

現実として、会社は設立から1年以内に8割が採算が取れずに廃業するというデータがあります。

さらに10年続く会社は全体の4%程度でしかありません。

こういうデータを見れば、事業を軌道に乗せることがいかに難しいことかが分かります。

 

しかし、だからこそ複業なのです。

今の会社を辞めることなく、これまで磨いてきたスキルや知識を最大限活用しながら自分の事業を持つ。

小さく初めてコツコツ続けて育てていく。

このやり方なら人生を棒に振るリスクはゼロです。

 

幸い、インターネットビジネスの多くは資産積み上げ型で、過去に作ったコンテンツが収益を生み出し続けてくれます。

そして、集客から販売、アフターフォローに至るまですべて自動化することができます。

作業を外注化することもできます。

ラーメン屋さんのように、毎日長時間作業に明け暮れなくてもいいのです。

限られた時間でも毎日継続して取り組んでいれば、コンテンツが積み上がりあなたの分身となって稼いでくれる時が来ます。

 

たとえ事業が軌道に乗るまで5年かかったとしても、その間の収入は今まで通り会社に頼っていいのです。

ほぼノーリスクで起業に挑戦できて、頑張り次第で大きなリターンを得られる可能性があります。

アメリカの起業家5000人を対象にした調査では、会社を飛び出して起業した勇敢な人よりも、会社を辞めずに起業する慎重・臆病な人の方が成功する確率が高かったそうです。

 

さらに、インターネットビジネスを実践する過程では、マーケティングを始めとするさまざまな知識・スキルが身に付きます。

日本の会社の多くは未だにインターネットを有効活用できていないので、インターネットを使った業務の効率化や売り上げアップの提案を積極的にできるようになります。

 

複業で培ったスキルを活かしたキャリアアップという選択肢も出てきます。

つまり、会社から評価・選別されるというレベルを超えて、自分の方から業務や会社を選べる人材になれる可能性があるということです。

 

やらない理由がない

ここまでの内容を一通り理解していただけたならば、もはや「やらない理由がない」と思いませんか?

その通り、やらない理由がないです。

そう思われた方は今すぐに始めましょう。

 

一方で、「分かるけど自分には無理…」と思われた方。

その理由の1つは、自分には人に誇れる知識やスキルなんてない、というものではないでしょうか?

そういう方はたくさんいるのですが、自分で気付いていないだけというケースがほとんどです。

自分ではできて当たり前と思っていることでも、それをできない人・知らない人は大勢いる、ということは意外なほど多いものです。

 

たとえば、iPhoneの使い方とか新旧モデルの比較とか、そんなのでもOKです。

あるいは、あなたが好きなジャンルの「商品のレビュー」なんてどうでしょう?

これができない人なんていますか?

普段友達に何気なく話している「商品を使った感想」を記事や動画にするだけです。

 

YouTubeには数多くのジャンルの「商品のレビュー」チャンネルがあり、海外の美容系YouTuberの中には億単位の金額を稼ぐ女の子もいます。

これが仕事になり得るのだ、ということを知れば、起業のハードルなんて驚くほど低いんだということが実感できるでしょう。

 

まずは自分の知識・スキルをすべて紙に書き出してみましょう。

過去・現在の仕事に関わるものから、学業、資格、特技、スポーツ、趣味…

そして、書き出した知識・スキルに関わるキーワードを片っ端から検索して、たくさんの事例を見てみてください。

その中から自分にできそうなことを探してみてください。

ヒントはインターネット上に無数に転がっています。

 

無理と思うもう1つの理由は、「会社の副業禁止の規定にひっかかる」というものでしょう。

これは少々厄介な問題ですが、バレないための対策を徹底することに尽きます。

この点については別に詳しく解説した記事があるので、そちらをご参照ください。

 

社則を忠実に守って会社と心中するのか、少しのリスクをとって激動の時代に対応できる人材になるのか。

賢いあなたなら、どちらを選ぶべきかは明白ですね。

 

このブログでは、私自身が複業で取り組む中で経験してきた失敗や挫折、成果の出たこと、学んだこと、現在進行形で試行錯誤していることなどを発信していきます。

あなたが複業を始める・進める上で有益な気付きを提供できれば幸いです。

 

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